いまさら聞けないブルゴーニュ🇫🇷②

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Bonjour‼︎

前回に引き続き、ブルゴーニュの村名アペラシオンについてまとめてみます。

ブルゴーニュの場合は、1.生産者・2.アペラシオン(村名・1級・特級)+畑名称・3.ヴィンテージが、好みのワインを探し出す大まかな情報です!

生産者の特性やスタイル、アペラシオンのテロワールや特徴、そしてヴィンテージ毎による仕上がりによって微妙に違いがあり、だからこそ奥深く、最終的な着地点となり得るのでしょうね🤔

さて、今度はニュイに続き、ボーヌについて掘り下げてみます。

◆コート・ド・ボーヌ

コート・ドールの南側、コート・ド・ニュイ地区の南に位置しています。行政上はブルゴーニュ地域圏のコート・ドール県。

ボーヌを中心に南北約25kmに伸びるワイン産地です。コート・ド・ニュイが世界最高峰の赤ワインの銘上産地だとするとコート・ド・ボーヌは世界最高峰の白ワインの銘上産地と言えます。それだけでなく赤ワインでも上質なものが造られており、世界的に知名度、人気の高いコート・ド・ニュイに比べて安価である為お買い得なワイン産地とも言えます。


コート・ド・ニュイと同じく使用される品種はピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ブラン、ピノ・グリで、シャルドネを用いた白ワインが世界的に有名です。

しかしながら、白ワインのイメージが強いコート・ド・ボーヌですが、全生産量のうち約60%で赤ワインが作られています。

アペラシオンで最も高い格付けのグラン・クリュからは白ワインの生産が認められており、唯一コルトンだけが赤ワインを造る事が出来るグラン・クリュになります。

グラン・クリュの数は8とコート・ド・ニュイに比べて少ないですが、プルミエ・クリュの数はコート・ド・ニュイより多いんですね🤔


1.ラドワ・セリニ Lodoix-Serrigny

コート・ド・ボーヌの入り口のラドワ・セリニ村(Ladoix-Serrigny)は、ブルゴーニュ地方、コート・ド・ボーヌ地区にあるワイン生産地で、同地区最大のグラン・クリュ畑があるコルトンの丘の東側斜面がこの村に属します。

ラドワ・セリニ村には合計の11のプルミエ・クリュがあり、「コルトン(赤・白)」「コルトン・シャルルマーニュ(白)」の2つのグラン・クリュが、この村を含む3村にまたがっています。

2.アロース・コルトン Aloxe-Corton

3村にまたがるグラン・クリュ「コルトン」及び「コルトン・シャルルマーニュ」は、同村が最大の面積を誇るそうです!

アロース・コルトン村村には合計の13のプルミエ・クリュがあり、グラン・クリュは畑の斜面も南東向きの条件の良い位置にあります。

コルトンは、大半が赤であり、白は極わずかです。赤の場合はコルトンの後に「コルトン+(クリマ名)」のようにクリマ名を付けることができます。

数多いクリマの中でも、「コルトン・クロ・デュ・ロワ」「コルトン・レ・ブレッサンド」「コルトン・レ・ルナルド」の3つの品質は群を抜く評価がなされています!

3.ペルナン・ヴェルジュレス Pernand-Vergelesses

コルトンの丘の西側部分がこの村に属します。対面のブドウ畑は日当たりの良い東向き斜面にあります。

ペルナン・ヴェルジュレス村には合計の9のプルミエ・クリュがあり、なおペルナン・ヴェルジュレス村では、特級のコルトンは赤のみが認められています。

4.サヴィニー・レ・ボーヌ Savigny-les-Beaune

隣接するペルナン・ヴェルジュレス村とボーヌとの谷間の斜面にブドウ畑があり、グラン・クリュ畑はありませんが、プルミエ・クリュ畑が22もあります!

5.ショレイ・レ・ボーヌ Chorey-les-Beaune

グラン・クリュ、プルミエ・クリュ畑はありませんが、親しみやすい味わいのワインを作ることで知られています。

この村のワインは、「シュレイ・レ・ボーヌ」または、A.O.C「コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ」として出荷されることも多くあります。

6.ボーヌ Beaune

ブルゴーニュ地方の交通や経済の中心都市。多くのドメーヌやネゴシアンがビジネスの拠点としています。周辺に広がるブドウ畑の面積も広く、コート・ド・ボーヌ随一の規模を誇ります。

ボーヌにはグラン・クリュ畑がありませんが、同地にある畑の約75%がプルミエ・クリュ畑で占められ44の1級畑が存在します!

7.ポマール Pommard

ヴォルネイとともに、A.O.Cは赤ワインのみが認められています。グランクリュはありませんが、プルミエクリュが28と多く、その品質も一定の評価を得ています。

ボーヌ側のプルミエ・クリュからは、繊細でふくよかな赤ワインが生まれ、ヴォルネイ側のプルミエ・クリュからは、作りのしっかりした赤ワインが生まれるといわれてます。

8.ヴォルネイ Volnay

ポマールともに、A.O.Cは赤ワインのみが認められています。グランクリュはありませんが、プルミエクリュが35と多く、その品質も一定の評価を得ています。

9.モンテリー Monthelie

ヴォルネイとムルソーの間に位置し、ボーヌの丘陵を見下ろす位置にブドウ畑が広がっています。

モンテリには合計11のプルミエ・クリュがあり、生産は赤ワインが90%と大半を占めます。

10.サン・ロマン Saint-Romain

隣接するオクセイ・デュレスから続き、オー・コートの渓谷の断崖のふもと、標高約280m〜400m付近にブドウ畑があります。コート・ド・ボーヌで最も高い位置にある生産地でもあります。

土壌は石灰岩と泥灰岩に粘土質が混ざり標高が高く涼しいこともあって、シャルドネに向いているとされています。

11.オーセイ・デュレス Auxey-Duresses

ムルソーの裏手、オー・コートの渓谷の入り口に位置するためあまり目立ちはしませんが、親しみやすいワインを作っています。

合計9のプルミエ・クリュがあり、個人的には最近有名生産者がこぞって買っているのが気になるところであります🤔

12.ムルソー Meursault

芳醇・濃厚な白ワインを生む、白ワインの名産地。バターやナッツのような印象があり、厚みのある味わいのワインが特徴的。

ムルソーには合計30のプルミエ・クリュがあり、『ペリエール』や『シャルム』は近いうちグラン・クリュに格上げされるかもと言われてます‼︎

13.ブラニー Blarney

ムルソーと、ピュリニィ・モンラッシェの斜面の上部に位置し、2村にまたがるため、白ワインの場合は畑の位置によってA.O.Cが異なります。

ムルソー側にある畑の場合は「ムルソー」、反対にピュリニー・モンラッシェ側にある畑の場合は、「ピュリニー・モンラッシェ」を名のることになります。

コミュナル(村名)ブラニィのA.O.Cは赤ワインのみが認められており、合計8のプルミエ・クリュがあります。

14.ピュリニー・モンラッシェ Puligny-Montrachet

世界的に名高い白ワイン「モンラッシェ」の畑がある産地として知られています。

17のプルミエ・クリュがあり、コート・ド・ボーヌを代表するモンラッシェの特級畑は全部で5つあり、そのうち4つがピュリニーモンラッシュに属します。

そのうち「モンラッシェ」と「バタール・モンラッシェ」はピュリニー・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェの2村にまたがっています。尚、グラン・クリュはすべて白ワインです!

15.シャサーニュ・モンラッシェ Chassagne-Montrachet

ピュリニー・モンラッシェと「モンラッシェ」の畑を分け合う村。赤ワインも秀逸で、プルミエ・クリュの数も多く品質も高いことで知られます。

シャサーニュ・モンラッシェ村にはコート・ド・ボーヌ最多の51のプルミエ・クリュがあります。

コート・ド・ボーヌを代表するモンラッシェを冠する畑は全部で5つあり、そのうち3つがシャサーニュ・モンラッシェに属します。そのうち「モンラッシェ」と「バタール・モンラッシェ」はシャサーニュ・モンラッシェとピュリニー・モンラッシェの2村にまたがっています。尚、グラン・クリュはすべて白ワインです。

個人的には、最も発音し難い村名ですね😥

16.サン・トーバン Saint-Aubin

標高300m〜400mに位置する山間の生産地です。

サン・トーバンには29のプルミエ・クリュがあります。プルミエ・クリュの畑はサン・トーバンの村からシャサーニュ・モンラッシェ村側に広がります。

17.サントネイ Santenay

コート・ド・ボーヌ最南端の丘陵の村。ミネラル多い秀逸なワインが生まれることで知られています。

ピュリニー・モンラッシェやシャサーニュ・モンラッシェでは見られなかった石灰質の茶色い土壌が再び姿を現します。ピノ・ノワールに適しているため、赤ワインの生産が盛んです。

サントネイには13のプルミエ・クリュがあります。

18.マランジュ Maranges

コート・ド・ドール県をはずれソーヌ・エ・ロワール県に位置する村です。1989年にAOC誕生、赤ワインが多い産地です。10のプルミエ・クリュがあります。

※ ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ Bourgogne Hautes-Côte de Beaune

ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌはコート・ド・ボーヌ西側に広がるワイン産地でマニィ・レ・ヴィレ村を境界線にしてオート・コート・ド・ニュイと隣接しています。

指定されているエリアはオート・コートの16村とコート・ド・ボーヌ13村の併せて29村。

オート・コート・ド・ボーヌもオート・コート・ド・ニュイ同様以前はあまり注目されていない産地でしたが、近年になって個性のある上質なワインが造られています。その中心人物はオート・コート・ド・ニュイと同じくジャイエ・ジル。

他にもジャン・イヴ・ビゾーと深い関わりのあるアンリ・ノーダン・フェランやキャピタン・ガニュロなどコート・ド・ボーヌの著名生産者など が造るワインにも注目です。

ジャイエ・ジルのワインは個人的に好きでしたか、2018年に逝去されてしまい残念です😭

※ コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ Cote de Beaune Village

コート・ド・ボーヌ・ヴイラージュは、コート・ド・ボーヌにあるアペラシオンの内、ボーヌ、アロース・コルトン、ポマール、ヴオルネを除く全アペラシオンの枠内にできる赤ワインの総称である。

ワインが単独のアペラシオン内で出来たものであれば、代わりにコート・ド・ボーヌという名称を併記した名前を付けることもできる。

例えば「モンテリー・コート・ド・ボーヌ」のように。ところが2か所以上のアペラシオンからなるワインがブレンドされると、こんどはコート・ド・ボーヌ・ヴイラージュという名称しか付けられないそうです🤔

ボーヌ、アロース・コルトン、ポマール、ヴオルネのコミューンは何故AOCコート・ド・ボーヌ・ヴィラージュに含まれないのでしょうか?
答えは単純で、有名で黙ってそれぞれのAOC名でジャンジャン売れるから。

もともとコート・ド・ボーヌのブレンド赤ワインは、コート・ド・ボーヌ名で販売していたという歴史もコート・ド・ボーヌ・ヴイラージュ出現の理由らしいです!

さて、先に紹介した似た名前の『コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ』との違いに気付きましたか。

略)ニュイ・ヴィラージュは、村名ランクになり厳格にAOCが認められていて5つの村に限って生産されています!

それに対して略)ニュイ・ボーヌは、厳密にはAOCブルゴーニュのワンランク上の準広域名称ですねー

しかも、有名な4つのAOC以外のコート・ド・ボーヌの赤ワインであればブレンドが可能という点が異なります。

印象的には、コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュは気軽に飲めるピノって感じです🍷