今さら聞けないブルゴーニュ生産者🇫🇷⑤

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Bonjour‼︎

久しぶりの雨ですが、恵の雨だったりするのでしょうか。個人的には、少し涼しくてちょうど良かったりしてます😊

しかしながら湿度にはめっぽう弱くて、なんて話をしてたら本州からお越しの方からすれば清々しいと…たぶん私は梅雨のある土地には住めないだろうとつくづく思いました。

さて、ブルゴーニュ生産者の紹介続編です🇫🇷

故ドニ・モルテは、ヴィニュロンで醸造家の父シャルル・モルテのもとで、17歳から手ほどきを受け、父の引退後となる1991年に跡を継ぎました。

ワイン造りはあのアンリ・ジャイエから教わり、厳しい選果、抑制生産を守り、一つ一つの苗木を熟知し、それぞれに適応した栽培方法を実践。48時間にも及ぶ低温の醸し、澱とともにゆっくりと樽熟成を行うスタイルでした。

ロバート・パーカーからは、「ジュヴレ・シャンベルタンのスターになり得る」と絶賛され、「メイユール・ヴァン・ド・フランス」では、DRC、ルロワと並び、ブルゴーニュTOP生産者として名を連ねました。フィネスのあるワイン造りを目指したドニ・モルテの、類を見ないほどの重厚感と豪華さを持ったゴージャスなワインは、1993年には熱狂的なファンとカルト的な地位を確立し、一躍スターダムにのし上がりました!

評価に比例して、価格も急高騰しましたが、仕事に打ち込めば打ち込むほど、彼の望むスタイルからは離れていったといいます。才能ゆえの苦悩からか、2006年1月自らの命を断ち、その生涯の幕を下ろしました。その早すぎた死には、誰もが衝撃を受けました。

今日、ドメーヌを運営するのは故ドニ・モルテの長男アルノー・モルテ。2006年、24歳の若さでこの名高いドメーヌの運営を任されることとなった彼は専門学校を中退し、メオ・カミュゼとドメーヌ・ルフレーヴという名ドメーヌで研鑽を積みました。

ドメーヌ・ルフレーヴで研修したのは自身もわずかながら白ワインを手がけ、ビオディナミにも興味があったため。ルフレーヴで働いた結果、ビオディナミの難しさを理解したといい、今日、11.2haの畑はきわめてビオロジックに近く、化学肥料、殺虫剤、除草剤には頼らない栽培がとられています。

父の時代のドメーヌのワインは、いかにもジュヴレ・シャンベルタンらしい、強い抽出と凝縮感をもつワインでした。しかし、アルノーは、父の造るワインに抽出が強過ぎるのではないかという疑問を抱き、2000年にそれを訴えて以降、ピジャージュの頻度を減らすようになったといいます。

醸造法は、原則として完全除梗(暑い年は半分くらい全房を使用することもある)のうえ、低温マセレーション。発酵容器はコンクリートタンクを使用しています。1日1回のルモンタージュと2、3回のピジャージュ。新樽率も父の時代と変わり、以前はほぼ100%新樽熟成でしたが、現在は村名ジュヴレ・シャンベルタンで60〜70%まで下げています。

アルノーの時代になり、ワインは力強さと同時にフィネスやエレガンスを備えたものとなり、口当たりはまろやかに、喉越しはスムーズに変化しているのは確か。また、アルノーはマルサネやフィサンなどコート・ド・ニュイ北部のアペラシオンに関心を寄せ、この地域の畑を増やしており、それらのワインの品質がすこぶる高いことでも知られています。 ジュヴレ・シャンベルタンに比べてその6割程度の価格で入手可能なマルサネやフィサンは、実にお値打ちなワインなのです🤔