サンマが高騰する訳🐟

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Bonjour‼︎

秋の味覚のひとつである秋刀魚が、今や1尾100円で買えない状態です。

数年前は、8~9月には鮮魚売り場に大量の国産サンマが所狭しと並び、価格も1尾100円以下と手頃でした。しかしそんな光景は、もはやほとんど見かけません😖

サンマ漁業のシーズン開始前でも、前年に冷凍されていたサンマが「解凍サンマ」として、同じように1尾100円以下で売り場に並んでいましたが、その姿もほとんどなくなりました。

仮にあっても価格が高いか、手頃な価格の場合であっても、サイズが小さいかです。

サンマが大衆魚から高級魚へ立ち位置を変えつつあるのでしょうか🐟

今回は、秋の味覚であり、大衆的であり、日本人なら誰しも焼き上げた香りだけで分かるくらいの一般的なサンマの現状について掘り下げてみます!

過去最低の漁獲量が更新され続けているサンマ漁😖不漁の原因としてよく出てくる理由は、次のようなものです。

「海水温の上昇」「日本の沿岸に回遊する前に、外国漁船に漁獲されてしまう」「マイワシが増えたため、サンマが寄り付かない」などです。

それらに原因がないとは言いませんが、本質的な不漁原因が何なのか?は、ほとんど伝えられていません。そこで具体的なエビデンスをもとにまとめてみます。


1.海水温の上昇が原因なのか?

もし海水温が、サンマがたくさん獲れていたころの温度に戻ったら、再び大漁の日々が戻るのでしょうか? 残念ながら答えは明確にノーらしいです!

北海道沖に「暖水塊」があり、これが来遊を妨げているという説があります。暖水塊とは周囲より温度の高い海水の塊のこと。サンマ来遊の妨げになってはいないとは言いきれませんが、しかしながら、昨年(2021年)のサンマ漁場の94%は、その暖水塊のはるか沖合の公海だったらしいです…

ここで問題なのは、日本の沿岸に回遊して来ないというより、公海も含めたサンマの資源量そのものの減少であることがポイントのようです🤔

つまり、海水温が下がっても、そもそもサンマ資源が激減しているから、漁獲量は急回復しないということなんでしょうね。。

2.真鰯や真鯖が増えたのが原因か?

マイワシがサンマの回遊を妨げているとしたら、マイワシが大漁だった当時のサンマの漁獲量は、非常に少ないという理屈になりますが、実際には全然そうではありません。

マサバが多いからという説もありますが、これまた実際の漁獲をグラフにしてみると相関関係が見当たらないそうです。

水産資源の減少を、「乱獲」という言葉を避けて環境要因に責任転嫁すると、矛盾が生じてしまいますね🤔

3.外国漁船が先に獲ってしまうから説

私個人的には、コレがよくメディアで見る理由とされている内容のような気がします。

先にも記載した通り、日本のサンマ船の漁場は、ほとんど公海上になっています。現場では、お互いの漁船が見えるような位置で、各国の漁船が入り乱れて操業しているそうです。

したがって、外国漁船が先に獲ってしまうのではなく、同じ漁場で獲りまくっている状態なんです‼︎しかしながら、サンマの来遊量、つまり資源量が少なすぎて獲れないというのが実態なのです。


現実的に各国の漁船で漁獲量が減っています。一方で魚価は上昇。こうなると漁業者は、少しでも多く獲ろうと漁獲圧を高めていきます。行き着く先は乱獲と資源崩壊です😥

そこで関係各国が対策に乗り出したのが、2015年に設立されたNPFC(北太平洋漁業委員会)です。ここで科学的根拠に基づく資源管理が行われ、国別漁獲枠が設定されるべきだったのですが、現状意味をなしていない模様ですね。

メディアでは「枠を4割削減し15.5万トン(EEZと公海の合計)とした」などと、いかにも資源管理がされているように報道されました。しかし2021年の漁獲実績は、15.5万トンの漁獲枠に対しわずか2万トンに過ぎず、数量規制の効果などありませんでした。

各国の漁獲枠の合計は、2021年と2022年と2シーズン共に33.4万トン。配分は公海が19.8万トンでEEZ(日本とロシアが少し)が13.6万トン。しかし2021年の漁獲量実績は全体で9.5万トンと漁獲枠の3分の1で、漁獲枠にまったく達しない枠となっています。つまり中身は、資源管理になっておらず、これまで通りの「獲り放題」なのです。日本の漁船はEEZと公海の両漁場で漁獲できるのですが、肝心のサンマがいないのが本当のところなんでしょう。。

これでは我が国も含め、各国は今までどおりできるだけ獲るのみ。欧米など、漁獲できる数量より大幅に抑えられた枠。すなわち漁獲枠と漁獲量が同じなのが当たり前の漁獲枠の設定とは、似て非なる「まったく効果がない別物」なのです。

たとえ今年の漁獲量が、過去最低だった昨年より増えたとしても、それはサンマ資源が崩壊していく過程での、最後の抵抗かもしれません。

今年はとくに、サンマの小型化や痩せ細ってるのも気になりましたが、そもそも論としてサンマが日本の食卓から遠のいていく可能性について深く考えないといけないと思います。

最近、釧路沖で銀鮭の養殖を行い、初出荷したというニュースもみました。そういえば、北海道は鮭すらとれなくなってきてますよね。

いつの次期には、養殖サンマが出回る事があるかもしれませんね‼︎

今年は特に、有り難くサンマを頂く事にします😊