今さら聞けない『エモい』🤔

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Bonjour‼︎

最近メディアでもよく耳にするワードです。

そこには単に若者言葉では片付けられない、深い意味と成り立ちがあるようです。

今回は個人的にも興味がありつつ、正確には的を得ていなかったので、『エモい』について掘り下げてみます!

「エモい」とは、なんとも言い表せない素敵な気持ちになったときに使う、主に若者の間で浸透している俗語(スラング)です。感情が揺さぶられたとき、予期せず感動したとき、とりわけ心地の良い懐かしさや良質なセンチメンタルに襲われたときに使うようですね!

「エモい」は、1980年代のアメリカで広がったロックミュージックの一つのジャンルであるEmo(エモ、イーモウ)から派生した言葉と言われています。Emoはメロディアスで情緒的に心情を吐露するような歌詞が特徴の音楽ジャンルで、Emoという名前自体も感傷的、情緒的を意味する英語emotionalを略したものです。「エモい」は、本来の音楽ジャンルとはもはや別のニュアンスに発展しました。

「エモい」は感動や感傷を巡るさまざまな形容詞のどれとも完全には一致しないのに、どの感情もかするように含んでいるようです。では、「エモい」の中心にあるものはなんでしょうか?


「ノスタルジック」との違いから考えてみます。

和訳「郷愁を感じる」もそうですが、この言葉の定義と自分の感情の一致を確信できている人は少ないかもしれません。

「ノスタルジック」・「郷愁」を使うことは、辞書に載っている定義と自分が今感じている気持ちが同じだとハッキリしているでしょうか。

そこに自信が持てないワンクッションに引っ張られて、肝心の「自分の今の素敵な気持ちを相手に伝えること」が遠のいてしまいがち。

一方の「エモい」はざっくりとした言葉ではあるものの、「とにかく自分はそう感じたんだ」という立場を貫くことで自分の感情を際立たせます。

「みんながどうか知らない、でも自分は今こう感じているんだ」という主体的ニュアンスがその核にあるのではないでしょうか。


人類はどう感動したかをさまざまな形容詞で他人に伝えようとしてきましたが、その試みにはことごとく失敗。

しかし若者は、最後に「い」を置くことで主体的なニュアンスを強め、形容に意志を持たせました。「自分の心が揺さぶられた」という事象表明に特化し、より差し迫った感情表現へ。それが可能だったのは、短歌や俳句など、たった一文字に意味を持たせることが得意な日本語だからこそでしょうか🤔

心のデモクラシーを一言で言い表し、しかも自分の中に生まれた将来の予感さえも言い表す3文字の言葉「エモい」。それを生み出したのは、専門家ではなく若者でした‼︎

「『エモい』なんて使っていたら、若い世代の語彙力や表現力が低下する」と危惧する声もありますが、そう簡単に切って捨てられない深い成り立ちがこの言葉には含まれていそうです。

「エモい」が広がりやすいコミュニケーション構造や社会傾向が今の日本にあるということなんでしょうね😊