今さら聞けない酒精強化ワイン③

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Bonjour‼︎

前回はシェリーについて掘り下げてみましたが、ほかのワインについてもまとめてみます!

◆ポートワイン

ポートは、ポルトガル北部のドウロ地方で造られる酒精強化ワインで、アルコール度数は19度〜22度までに限定されています。

比較的リーズナブルでフレッシュな果実味が味わえるものから、100年以上の熟成が可能とされる高級なヴィンテージ・ポートまで様々です。

甘口のポートは、チョコレートやブルーチーズとよく合います。ポート最大の輸出国であったイギリスでは、イギリスのブルーチーズ「スティルトン」と合わせるのが今も昔も定番のようですね🤔

1.ルビーポート

黒ブドウを原料に3年の樽熟成後出荷されたもの。

基本的にポートは、複数年の熟成ワインをブレンドして造られますが、ルビータイプには特に優れた作柄のブドウから造られた単一年のヴィンテージ・ポート、またそれに続くと思われる作柄のブドウから造られたレイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート等も含まれます。

2.ホワイトポート

白ブドウを原料に3年あるいは5年熟成させたもの。

3.トゥニーポート

長い年月樽塾させ色素が沈着しトウニー(=黄褐色)色になったもの。10年~40年ものも。

10年、20年、30年のように熟成年数が表記されたものや、単一年に収穫されたブドウだけを使い、収穫後7年以上樽で熟成をしてから瓶詰めされるコリェイタがあります。

◆マディラ

マデイラとは、ポルトガルの首都リスボンから南西に1000kmの北大西洋の沖に浮かぶマデイラ諸島で造られる酒精強化ワインです!

酒精強化ワインの中でもとりわけ寿命が長く、100年以上前のマデイラが数多く現存しており、それらは今でも美味しく飲むことができます。

原料となる主なブドウ品種は白ブドウがセルシアル、ヴェルデーリョ、ボアル、マルヴァジア、テランテス、黒ブドウはティンタ・ネグラで、ブドウ品種によって甘口から辛口まで味わいは異なります。また、マデイラは添加するグレープスピリッツのアルコール度数が96度と高く、アルコール度数は17〜22度と決められているそうです🤔

マデイラの最大の特徴は酒精強化を行った後に加熱を行うことで、この製法により独特の香ばしい風味が生まれます。

この製法は大航海時代の17世紀、アメリカ新大陸の航路上に位置したマデイラ島で積み込まれたワインが、赤道を横切る暑くて長い航海を終えると特有のフレーヴァーを呈していたことに由来しています。

加熱方法は温水を使う人口加熱(エストファ)と、太陽による自然加熱(カンテイロ)があり、加熱後は3年以上樽で熟成させてから出荷されます。

1.セルシアル

辛口(標高600~800m)
辛口(香りは甘い香りです)。薄い黄色とオレンジの色調。苦い香りとドライフルーツの新鮮で調和のとれた滑らかな香り。とても長く酸味のある余韻。 やや甘いニュアンスはありますが、4種の中では一番の辛口。

2.ヴェルデーリョ

中辛口(標高400~600m)
オレンジがかった黄金色。アプリコットを思わせる果実香。アーモンド、キャラメル、バルサミコのほのかな香り。バニラの風味とバランスの取れた酸味。複雑で素晴らしいあと味。4種の中では中辛口のマデイラです。

3.ブアル

中甘口(標高300~400m)
中甘口。金のハイライトが入った黄褐色。レーズン、バニラ、蜂蜜、ナッツのコクのある凝縮された香り。おだやかで調和のとれた素晴らしい酸味。優しい甘さのある滑らでふくよかな口当たり。甘さの中に複雑味があって深い深い味わいのマデイラです。

4.マルヴァジア

甘口(標高400m)
チョコレートとクリームタフィ、オレンジやレーズンのほのかな香り。フルーティーで滑らかな口当たり。長く心地よい余韻が残る。 デザートワインとしてオススメのマデイラです。

◆マルサラ

マルサラはイタリアのシチリア島の西端で造れられる酒精強化ワインで、色と味わい、さらには製造方法や熟成期間により分類され、呼び名が変わります。

シチリアの土着品種である白ブドウのカタラッロやグリッロ、黒ブドウのネレッロ・マスカレーゼなどから造られます。

マルサラは、ワイン、ワインから蒸留した添加用ブランデー、ブドウジュースを1/3になるまで煮詰めたモスト・コット、ブドウジュースに蒸留したブランデーを加えたミステッラ、これら四つの材料から造られ、色はオーロ(黄金色)、アンブラ(琥珀色)、ルビーノ(ルビー色)、味わいはセッコ(辛口)、セミセッコ(半辛口)、ドルチェ(甘口)と様々なスタイルがあります。

また、マルサラの特徴として必ずオーク樽で熟成させることが挙げられます。そのため、マルサラには香ばしい木の香りやカラメルのようなブーケがあります。

マルサラは料理に使われることも多いのですが、食前、食後酒としてももちろん楽しめます。甘口のマルサラにはシチリア現地で食べられているような素朴な焼き菓子やアイスクリームなどと合わせると良いでしょう😊

酒精強化ワインの辛口は食前酒に、甘口は食後酒に飲まれることが多いですが、特に決まりはないそうです!

食前に飲めば、強めのアルコールが胃を刺激して食欲が増進するでしょうし、食後にチーズやデザートと合わせれば至福のひと時となりますよ。

先日のペドロヒメネスと合わせて、マディラのスイートも食後酒としてご用意致します!

大人な〆ワインにいかがでしょう♬