パリスの審判🍷

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Bonjour‼︎

先日、ニューワールドであるナパ・ヴァレーのワインについて掘り下げましたが、カリフォルニアワインを語る際に必ずに耳にする事件があります!

それが、『パリスの審判』とよばれるもの。

実は、企画者は英国人だったのはご存知でしたか?

今回は、『パリスの審判』の内容について考察してみようと思います!

1970年代前半までカリフォルニアワインの評価は、もはや無いに等しい程でした。

当時はワインと言えばフランスワイン🇫🇷ましてや、アメリカやその他の地域で美味しいワインが作れるとは、ヨーロッパの人々は思ってもいなかったのです。

1976年、それまで評価の低かったカリフォルニアワインが、一躍脚光を浴びることになる大事件が起きました。

後に「パリスの審判」と呼ばれる、ワインのブラインドテイスティングイベント、通称パリテイスティングです‼︎


パリ発祥のワインスクール「アカデミー・デュヴァン」の創設者でもあるスティーブン・スパリュアが、1976年、アメリカ独立から200周年をという記念すべき年に、あるイベントを企画します。それが、フランスワインとアメリカワインのブラインドテイスティング対決という訳なんです🤔

ちなみに当時のフランスでは、「素晴らしいワインをつくるのは、素晴らしい土地とそれを受け継ぐ伝統的な技術だけだ」というのが常識。1000年以上前から先祖代々引き継がれてきた知恵と技術だけが、名門と言われるワイナリーの所以だと信じられていたので、当然負けるはずがないと考えていたとは想像できますよね!

さて、このテイスティングイベントに選ばれた審査員は錚々たるメンバーでした。

当時すでにフランスワイン業界で有名であったスパリュアの人脈を生かして、有名レストランのソムリエや醸造家、ワイン学校やA O C協会などから ワインを知り尽くしたプロが集まったそうです。

ちなみに、全員フランスワインが大好きな生粋のフランス人🇫🇷ばかりだそうです…

何というアドバンテージと、カリフォルニアからしたらアウェー感なんでしょう😮‍💨


では、当日ラインナップされたワインも紹介しときます。

白ワイン

フランスワイン🇫🇷

1.ピュリニー・モンラッシェ・レ・ピュセル ルフレーヴ 1972
2.ムルソー・シャルム ルロー 1973
3.バタール・モンラッシェ ラモネ・プルドン 1973
4.ボーヌ・クロ・デ・ムーシュ ジョセフ・ドルーアン 1973

カリフォルニアワイン🇺🇸

1.ヴィーダークレスト 1972
2.フリーマーク・アビー 1972
3.デヴィッド・ブルース 1973
4.スプリング・マウンテン 1973
5.シャローン・ヴィンヤード 1974
6.シャトー・モンテレーナ 1973

赤ワイン

フランスワイン🇫🇷

1.シャトー・オー・ブリオン 1970
2.シャトー・ムートン・ロートシルト 1970
3.シャトー・モンローズ 1970
4.シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 1971

カリフォルニアワイン🇺🇸

1.フリーマーク・アビー 1969
2.ハイツ・セラーズ 1970
3.マヤカマス・ヴィンヤード 1971
4.リッジ・モンテベッロ  1971
5.クロ・デュ・ヴァル 1972
6.スタッグス・リープ・ワインセラーズ 1973

フランスワインは、赤白共にもはや銀河系軍団といったところでしょうか。

カリフォルニアワインは、今でこそ錚々たる顔ぶれのラインナップですが、この当時はほぼ無名のワイナリーばかり。しかも全てが1960年代に設立、もしくはその時期に復活した超新人ワイナリー達です。


さて結論からいくと、

白ワインの結果は、1位がなんとカリフォルニアのシャトー・モンテレーナ。
2位ルフレーヴのムルソー・シャルムを大きく引き離してのトップでした。

赤ワインの1位は、こちらもカリフォルニアのスタッグス・リープ・ワインセラーズ。ムートンやオーブリオンを抑えての優勝という奇跡が起きたのです。

ちなみに、スタッグス・リープのワインはなんとワイナリーのファーストヴィンテージで、5大シャトーを打ち負かしてしまったのは、かなり衝撃的な事だったでしょう…

そして、この2つのワイナリーは一夜にして、カリフォルニアを代表するワイナリーとなった、まさにシンデレラワインの登場になった訳です‼︎

フランスワインとしては、面子を潰された苦々しい事件という捉え方もありますが、ワイン全体としてはこれを機にニューワールドワインが脚光を浴びるきっかけとなり、ワイン産業を加速化させたと思われます。

もし、気になる方はこのセンセーショナル事件を映画化してますので、気になる方は鑑賞してみてはいかがでしょう😊

邦題は『ボトル・ドリーム』2008年に造られたコメディドラマ映画です🎞