Bonjour‼︎
同じブルゴーニュ地方でも冷涼でキリリとした酸を持つシャブリとは違い、やや温暖で穏やかさのある味わいを持つマコネ地区のワインについてまとめてみます。

◆マコネー地区 Mâconnais
マコネー地区はブルゴーニュ地方中央南部、コート・シャロネーズの南に位置しています。行政上はブルゴーニュ地域圏ソーヌ・エ・ロワール県にあります。
ソーヌ・エ・ロワール県の県庁所在地はワイン名としても親しみのあるマコン。 ボジョレー地区をブルゴーニュ地方とするか1つの地域と見るかでフランスでは論争が起きていますが、ボジョレー地区をブルゴーニュ地方と見なさない場合のブルゴーニュ最南端のワイン産地でもあります。
フランスでは大衆向けの大量ワイン産地として知られており、地元フランスで消費されるワインが多く見られますが、この地区にも特筆すべき地域があります。
畑は多くが南向きの斜面で標高はコート・ドールに比べて高く350m〜400mのところにあります。この地域の人気の高いブドウ畑は粘土石灰土壌が多く見られます。
白ワインは、シャルドネを使ったフレッシュかつフルーティーな早飲みワインが多く造られていますが、一部、力強く長期熟成に向く良質なコート・ドールを思わせるようなワインが造られています。
赤ワインはピノ・ノワールよりもガメイが使われる事が多いです。これは過去にブルゴーニュ公国に属していなかった事から、ガメイ種の栽培禁止令の適用範囲外だったため、当時人気があったガメイ種を造り続ける事が可能だったことに由来するそうです。
原産地呼称最高格付けであるグラン・クリュはありませんが、上質なワインが造られている地域もあります。
1.プイィ・フュイッセ Pouilly-Fuisse
プイィ・フュイッセは、ヴェルジソン(Vergisson)、ソリュトレ(Solutre)、プイィ(Pouilly)、フュイッセ(Fuisse)、シャントレ(Chaintre)の5つの村でシャルドネ種から生まれる辛口白ワインの総称です。有名な「ソリュトレの岩丘」があるように、ここはとても変化に富んだ地形にブドウ畑が連なっています。
コート・ドール以外で初めてオスピス・ド・ボーヌが取得した区画がこのプイィ・フュイッセで、1994年に4ヘクタールほどの畑が寄進されたそうです🤔
2.プイィ・ロシェ Pouilly-Loche
34ヘクタールと、3つのプイィの中で一番小さなアペラシオン。1980年までほとんどが協同組合のワインでしたが、現在は50%に。プイィ・フュイッセの影に隠れがちなエリアながら、90年代から参入してきた若い生産者の活躍で、今は名声を獲得しています。
こちらも白ワインのみの生産になります。
3.プイィ・ヴァンゼル Pouilly-vinzelles
急こう配の東向き斜面が特徴的です。19世紀、パリ~リヨン間に鉄道が敷かれたことがきっかけで、フランス国中に産地名が知られるようになりました。有名な造り手が活躍するエリアで、生産者のフィロソフィーや個性が加わり、多種多様なワインが生まれています。
こちらも白ワインのみの生産になります。
4.サン・ヴェラン Saint-Veran
サン・ヴェランはプイィ・フュイッセを取り囲むように、周辺に位置する8つの村で産する辛口白ワインの総称です。
8つのコミューンは、シャーヌ(Chanes)、シャスラ(Chasselas)、ダヴァイエ(Davaye)、レーヌ(Leynes)、プリッセ(Prisse)、サン・ヴェラン(Saint-Verand)、サンタ・ムール・ベルヴュ(Saint-Amour Bellevue)、ソリュトレ・プイィ(Solutre-Pouilly)となります。
※ボジョレー地区のサンタ・ムールで造られる白ワインはサン・ヴェランを名乗れます。
サン・ヴェランはプイィ・フュイッセと同じくシャルドネ種から造られ、タイプも似ていますが、よりフルーティーで柔らかい口当たりのワインとなります。1971年にAOCになりましたが、それ以前はマコン・ヴィラージュの名で売られていたそうです!
5.ヴィレ・クレッセ Vire-Clesse
マコンの中でもすばらしいワインを生む4つの村に、1998年からAOCに認定されました。その村は、ヴィレ(Vire)、クレッセ(Clesse)、レゼ(Laize)、モンベレ(Monbellet)の4つです。プイィ・フュイッセやサン・ヴェランがマコン市周辺に集中しているのに対し、ヴィレ・クレッセはマコン市の北に15キロメートルほど離れたところに位置します。
ヴィレ・クレッセは、シャルドネ種から造られる辛口白ワインのみに認められます。それ以前は、マコン・ヴィレ、マコン・クレッセがありましたが、ヴィレ・クレッセがその代わりとなり、マコン・ヴィレ、マコン・クレッセは2002年に廃止となりました。
ワインは淡い黄金色からしっかりした黄金色で、果実味豊かなエレガントな魅力があり、上質なものはヴォリュームのあるリッチで複雑なワインとなります。
※マコン Macon
ワインはピノ・ノワールとガメイから赤とロゼワインが造られ、白ワインはシャルドネから造られる地区名AOCです。
マコンを名乗るアペラシオンはやや複雑です。マコンとマコン・シューペリュール、村名つきマコンは赤、白、ロゼの生産が認められます。
白のみに認められるアペラシオンでは、マコン・ヴィラージュがあります。ワインは83のコミューンにまたがり、村名つきワインについては、白が26村、ロゼ・赤が20村、それぞれ村名を表記できます。
ちなみにマコン・シャルドネというワインがありますが、この名のシャルドネはぶどう品種のシャルドネではなく、村の名前なんですねー😳先ほど出てきた村名つきのマコンのひとつなのですが、ぶどう品種のシャルドネはまさしくこの村が発祥の地とされています。
マコン・ヴィラージュ
マコン+村名(5つの村名AOC以外の村名)
この2つはマコンと同じ地区名AOCに分類されますが、規定がマコンより厳しく、品質もマコンより格上という認識ですね!
プイィ・フュイッセ生産者組合が2010年にINAO(国立原産地名称研究所)へ格付け願いを正式に申請してから、約10年。長きに渡りINAOが区画ごとの土壌や品質をチェックし、ようやくプルミエ・クリュ獲得にこぎつけたプイィ・フュイッセは、名実ともにマコネー地区の輝けるスターとなりました。
今日では、759ヘクタールを誇るAOCプイィ・フュイッセのうち、193ヘクタールを占める22の畑(クリマ)が、プルミエ・クリュに昇格してます!
コート・シャロネーズ同様、コスパの良いワインを生んでいる印象で、白ワインはやや温暖な気候のため、酸が穏やかでフルーティで軽やかな傾向です。
勿論、中にはナッティーなアロマを感じさせるタイプもありますが、総じて気軽に飲むブルゴーニュのシャルドネって感じですねー